西野こういち ほっとかれへん! 30年後の日本人も幸せで居られる社会を。

日本の良識を憲法へ

2016.04.21

日本の良識を憲法へ

 

多くの国家や国民は、その文化的な伝統や歴史的背景、気候風土などによって、共通した価値観を持っています。日本語では、「常識」あるいは「良識」という言葉が最もしっくりするでしょう。憲法の改正にあたり、私がまず実現したいのは、「日本の良識を反映すること」です。日本が古来受け継いできた価値観、道徳観、倫理観というものを憲法に織り込むべきであると考えています。それは条文という形でなくてもかまいません。むしろ明確な条文にするよりも、憲法前文に含ませる、もしくは、憲法とは別の国民憲章のような形にすると良いのではないでしょうか。

日本の良識を憲法へ

道徳的な規範というものは、何らかのルールを設定して、それに人々を従わせる…というものではないと私は考えています。人々の心の内に伝統的あるいは地域や集団によっては、宗教的な何らかの指針があり、それに沿って行動すること、その指針から外れないように行動することが道徳的な行為として認知されるのではないでしょうか。

つまり、日本の場合でいえば、遠い昔から伝承され、生活の中で培われてきた知恵や精神性といったものが、すなわち道徳の土台になるはずです。

そして、そうした伝統的な知恵は、近代日本の幕を開いた明治の頃に、多くの国民に見える形で成文化されました。教育勅語や、明治天皇の五箇条の御誓文、さらに大日本帝国憲法にもその精神は宿っています。しかし、時代が下って平成の現在、そうした伝統的な精神性はすっかり廃れてしまったように見受けられます。このことは、憲法に日本の良識が反映されていないということと大きな関係があると私は考えています。

現行憲法の不備を指摘する声は多く、私自身の目にも「変えるべきだ」と感じる箇所は多々あります。その中でも、まずこの国の国柄に沿った道義、倫理、理念、良識などいわば日本の不文律ともいえるものを憲法に反映させるべきです。

憲法のどこが問題なのか?

1.連合国からの「押しつけ憲法」である

現行の日本国憲法は、日本政府が作ったものではありません。先の大戦後に日本を占領していた連合国、さらにいえば連合国総司令部(GHQ)によってその骨格が作られ、細部の修正のみを日本政府が行ってできあがったものです。それ以前の大日本帝国憲法のように、日本人自身の手で作られたものではありません。

2.場当たり的な内容になっている

この憲法はかなり短期間(約10日間)で作られました。そのため、一つひとつの条文が一から練り上げられたものではなく、世界中のさまざまな憲法、憲章、条約文や宣言文などからそれらのエッセンスを抜き出し、組み立てる、いわばコピーペーストで構成されています。そのため、どうも場当たり的で似たような条文が重複していたり、表現が曖昧だったりという点が見られます。

3.助詞の使い方がおかしい

言葉の使い方や「てにをは」を間違えているなど、日本語としておかしな点が多々あります。日本の最高法規である憲法に、文法的に誤った日本語が使われているというのは、実に恥ずかしいことです。

4.現在の外交、国防上の事情にそぐわない

日本国憲法が施行されたのは昭和 22 年。当時と現在を比べてみると、国際社会の枠組みが大きく変化しています。それとともに国防のあり方も変わってきました。その変化に、現在の憲法では適切に対応しきれないということが表面化しています。