西野こういち ほっとかれへん! 30年後の日本人も幸せで居られる社会を。

捲土重来-2

2015.01.27

昨年の総選挙では大変お世話になりました。

篤いご支援を賜りながら個人としても党としても皆様のご期待に沿えなかったこと、幹事長代理の職責を担った者として衷心よりお詫び申し上げます。
次世代の党の結党から衆議院解散までの3か月、国会の論戦において我々は際立った成果を残してきた、と自負しております。たとえば朝日新聞の不正確な報道に始まった従軍慰安婦問題は、後の河野談話につながり、今もなお国際社会において日本の名誉を著しく毀損し続けております。次世代の党はこの問題に党を挙げて取り組み石原官房副長官(当時)の参考人招致を実現しました。その国会での答弁を受けて河野談話の作成過程を政府が改めて検証、河野談話の作成そのものが韓国政府の強い意向が反映されたものであり、河野官房長官(当時)が強制連行の事実を認めたことについてもまったく根拠のないものだったことが確定的になりました。一連の動きが朝日新聞の謝罪につながり、全国の地方議会でも慰安婦謝罪決議の撤回が相次いでおります。
「慰安婦問題は生活と密着していない」というご指摘を賜ることも多々ありました。

しかし、我々の掲げた政治理念「新保守」とは戦後体制の保守にあらず、日本建国以来の、天皇を中心とした国体の保守にほかなりません。なぜ「保守」しなければならないのか、我が国は建国以来一つの政体を維持する世界最古の国家です。2675年間、世界の国々が勃興没落を繰り返す中、天皇を中心に連綿と続く歴史を紡いできました。祖先が守り伝えてきたものが世界で最も優れた国家システムであったからこそ、世界最古の国家として、今の我々があるのです。だからこそ、保守が正しく、その尊い伝統を一度の敗戦で全否定してはならないのです。

そのためには戦後体制によって歪められ、損なわれたものが何だったのか、しっかりと見極め、次世代のために修正すべきものは修正をしていかなければなりません。
慰安婦を日本の官憲が強制連行した、と捏造した勢力が何を企図していたのか、その企みを喝破し一つずつ撃破していくことは、今後も我が国の伝統と文化に基づく国柄を守り伝えていくためのみならず、国際社会の中で現実の国益を確保していくためにも必要なことです。北朝鮮による許されざる拉致について、「日本は戦時中に朝鮮半島の女性を強制連行したではないか。北朝鮮を非難できない。」という論を展開して北朝鮮を擁護する人がいます。(驚いたことに、そして恥ずかしいことに国会議員の中にすらいるのです。)

あるいはロシアは日ソ不可侵条約を一方的に破棄し日本を侵略し、北方領土を違法に占拠し続けている現状について、中国や韓国と連携し、「歴史上日本が悪だった。その罰として戦争で敗北し、北方領土を失った。北方領土は歴史上合法的にロシアの領土だ。」という主張を近年強めてきました。中国は首相の靖国参拝や尖閣諸島の国有化、防衛予算の増加を非難する裏で着々と海洋油田の開発や南シナ海への侵略を進め、今まさに尖閣諸島近海の日本の領海内に数多の公船が押し寄せています。我々はただ単に歴史の解釈を争うだけでなく、その裏で行われている現実の国益を守るために一つ一つ、事実に基づいて反論していかなければならないのです。
昨年末に日中首脳会談がようやく実現しました。

その時に「日本はこれまでの立場を変更し、ついに中国との間で領土問題が存在することを認めた」という報道が一部ありました。尖閣諸島について、日中間に解決すべき領土問題は存在しない、というのがこれまでの日本政府の一貫した立場です。領土問題が存在する、ということを認めてしまえば、その問題を解決するためのテーブルにつく義務が生じます。そして交渉のテーブルにおいて100%の勝ちを得ることはできなくなります。

私はこの報道に危機感を覚え、直ちに政府に対して質問主意書を提出しました。

質問主意書に対する回答は必ず閣議決定を経なければならず、それが政府の公式見解となります。私は「今回の日中首脳会談に関して日本政府の立場の変更はあったのか、また、日中間に領土問題が存在することを認めたのか」という質問をしました。この質問は政府が立場を変更したのか、ということを問うよりも「立場を変更していない」という閣議決定をしてもらうことを目的としていました。政府の回答も期待通り「立場の変更はない、領土問題はない」というものでした。(回答日は衆議院解散の日でした。解散になれば質問主意書そのものがなかったことにされるので、やきもきしました。)この質問主意書について日本のマスコミはほとんど関心を寄せませんでしたが、中国側の香港メディアから取材の依頼がありました。それだけ日本政府のあらゆる動きが監視されているのです。野党であっでも日本の国益のためにやることはやってきた、そしてそれは世界からも見られている、という自信を深めた一件でした。
我々の仲間でも「保守とはなにか」とよく議論します。平沼党首は一言に「皇室を守ることだ」とおっしゃいます。私もまったく同感です。そして同時に、自分を育ててくれた父母を思い、そして自分の子供や孫たちの将来を想うことだと思います。我が国が建国されて2675年、30年を一世代とすれば90世代近くを経てきました。それだけの祖先が成してきた偉業に思いを馳せ、自分を育んだ父母を思い、郷土を思い、そして祖先に、父母に恥じないよう自分の子供に行動で示していく。我が国の国柄を次世代へと引き継いでいく。我々は常に歴史の一部分を預けられた存在であって、我々世代が、過去も未来も否定してはならない。それが保守精神の神髄であろうと考えています。
今後も在野にあっても保守の政治家として国政復帰を期して活動を続けてまいる所存です。