排出権取引の現在
環境問題の中で温室効果ガスの排出権取引について話したいと思います。
まず、京都議定書という言葉をよく耳にすると思います。
この議定書は温室効果ガス削減を目的とし、世界の五十五カ国以上で締結され、各国で温室効果ガスの排出量を削減する目標が設定されました。
そのメカニズムの中で排出権取引というものがあり、現在、各国・各企業の中でそれを利用する動きが広がっています。
排出権取引というものは、たとえばある企業の温室効果ガス排出量において基準値を定めそれを排出枠とします。
実際企業活動を行うことで、排出量が基準値を下回ると、その排出量の差は排出権として売る事ができ、上回る場合は買う事で排出枠に収めなければなりません。
現在日本では、排出権取引制度に参加を義務づけてはおらず環境省の主導による自主参加という形で、試験的に行われています。
ここで排出枠を決める方式ですが主にEUや日本の産業界では入札で排出枠を購入する、いわゆるオークション方式を中心に議論されています。
オークション方式にするメリットはただでさえわかりにくい排出権価格の透明性を高めることですが、もちろん市場原理の中で投機目的の売買による価格の高騰や、資金力の弱い中小企業などに過度な負担が増えるリスクがあります。
資金をかけて省エネを推進し、温室効果ガスの削減に成功した企業は市場の売り手になり、逆にエネルギー消費の効率化を進めずに排出量の増加する企業は市場の買い手になる。
そこで第三者機関によって排出枠の基準値を産業ごとに設定し、各国・各企業に割り当てることが公平な市場を作る道であると思います。
ところで、近年バスやタクシーなどの労働条件の悪化や多発する事故のニュースを耳にしますが、これは規制緩和によって自由に運送事業に参入できるようになった結果とも言われています。
海外では、アメリカの電力事業の自由化によってカリフォルニアで大規模停電が起こった事を覚えている方もいるかと思います。
さらに現在の投機目的の資金流入によって原油や原料価格の高騰により、物価高、消費低迷によって企業や消費者の多くが苦しんでいます。
競争市場において生産性の低い企業が競争に負けて淘汰されていくように、排出権取引においても極端な競争市場にさらすことでエネルギー効率の低い、資金の乏しい分野の国内産業の衰退や、企業が倒産する可能性が大きくなります。
これらの自由な競争市場にすることで結果的に失敗した場合、苦しむのは最終的に国民です。
安易に、産業を競争原理を働かせるのでは同じ過ちを繰り返すだけであり、それを変える力の一番大きいのはしがらみのない国民の世論だと思います。
大切なのは地球の環境を守る事はもちろんですが、働く人々の生活を守る事が一番重要と思います。
今、政府だけが議論するのではなく、産業界、国民も含めて大きくじっくり議論する必要があるのでは無いのでしょうか。
2008春インターン生
亀石豊彦
日時: 2008年03月29日 18:05 | パーマリンク
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コメント (1)
末広晃久:
「競争市場において生産性の低い企業が競争に負けて淘汰されていくように、排出権取引においても極端な競争市場にさらすことでエネルギー効率の低い、資金の乏しい分野の国内産業の衰退や、企業が倒産する可能性が大きくなります」
とありますが、企業の生産性と地球温暖化の問題は違うと思います。生産性の低い企業でも、きちんとルールを守れば排出枠を確保することができ、営業力・知名度等関係なく、公平に売買できる分素晴らしいと思います。それより元となるルールの策定が遅れるほど、中小零細企業等の負担が大きくなります。設備投資時のルールに沿った対策を行えば、投資費用に似合う排出枠を確保することもできるはずです。私共はそういった企業への支援も踏まえた活動もしておりますが、現在大阪府は全国的に見て温暖化対策には遅れております。新知事になり新事業がストップしており、更に対策が遅れてきております。
近隣の兵庫県・三重県・京都府等の取組はそれぞれ行政が民間と手を組み成果を上げております。
そういった観点より府議会議員及び現知事を推薦している政党の議員としてどの様にお考えでしょうか?
本気で大阪府の中小零細を含めた企業に対しての、支援に対して行う気であるのであらば、私共にも御協力する準備はあります。
御意見をお聞かせください。
投稿者: 末広晃久 | 2008年04月24日 15:10

