08春 インターン生レポート

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Not in Education,Employment or Training

2008年03月28日 【カテゴリー:08春 インターン生レポート】

2004年から2005年にかけて「ニート(NEET)」という言葉が現在の若者を巡る問題としてマスコミなどで急速にクローズアップされるようになった。ニートとは一体何なのか(Ⅰ)、どのような問題をはらんでいるのか(Ⅱ)、その解決策としてどのようなことが考えられるか(Ⅲ)を順に検討していく。
 Ⅰ.「ニート」とは何か
「ニート」(Not in Education,Employment or Training)とは、『労働経済白書』によると「非労働人口のうち特に無業者として年齢十五歳から三四歳、卒業者で未婚であって、家事・通学をしていない者に限」られている。これらの若者の中には相互にかなり異なる複数の層が含まれており、マスコミなどの「ひきこもり」的な、一面化な特徴づけを与えるような記述は誤りである。
 Ⅱ.「ニート」が抱える問題
「親が死んだらカウントダウン」と表されるように、働いていない「ニート」自身に収入はない。親の支援を受けられなくなった場合は生活保護が毎月おおよそ十万円支給される(ケースバイケース)。その額は莫大になろう。さらに若年時代を無業者として過ごすと、生涯賃金の低下に直結するが、それは個人消費を冷え込ませる要因にもなる。収入の安定性で脆弱な「ニート」は非婚・晩婚化に拍車をかけ少子化を進める要因となる。また、所得税を払わず、住民税や消費税などの税収にも悪影響がでる。年金、健康保険の未納となるのは必至だ。「ニート」はもはや単に個人間の問題にはとどまらず、社会全体、それも労働力だけでなく、経済や治安といったさまざまな事柄に悪影響を及ぼすと懸念される。
 Ⅲ.「ニート」に対する支援策
これまで政府は、「ニート」対策として「ジョブカフェ」や「若者自立塾」なるものを整備した。しかし、当事者である「ニート」が働きたいと実感できるまではひとりひとりのニーズにあったプランを、地道に組み立てていくしかないだろう。統計的に、「ニート」は、親との離死別体験、親子関係の質的なあり方、学歴や中退などの教育上の履歴など、偶発的な事柄に対してマイナスの経験を経ている場合が比較的多い。このことがコミュニケーションスキルやポジティブな考え方、社会への関心などが形成されにくい結果となっている。性急に「自立」へと方向づけようとするような体制が支配的になるならば、「負の連鎖」によって傷つきやすい状態にある彼らにとっていっそう息苦しい事態を招きかねないということには注意が必要である。彼らの現状をいったんは許容的・肯定的に受け入れた上で、ゆるやかで確実な一歩を支えるという基本姿勢が社会全体に共有されることが期待される。
 Ⅳ.まとめ
「ニート」問題を適切に処理するためには、一般化せず個別・具体的に検討する必要がある。また、雇用そのものについても十分な政策を練らなければならない。例えば、東京で毎日八時間1ヶ月二三日働いて一二カ月休みなしでも、生活保護水準の生活はまったくできない。この問題を抜きにして自立しないとか、働く意欲がないとか、そういう話をするのは見当違いである。また、社会の風潮も「ニート」に対する痛烈なバッシングが見受けられるが、「ニート」の中には、つい最近まで大いに働きながら、心身を病んで途中で動けなくなる人々や、対人関係に自身を失って働けなくなった人々も少なくない。その意味で「誰でもニートになるかもしれない」という認識を共有し、「ニート」状態の人々を排除せず、自立に向かって相互に支えあうシステムこそ必要となるだろう。


2008春 インターン生  上原 千明

日時: 2008年03月28日 16:32 |

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